Aakrisha regmi
アキ(アクリシャ)ちゃんはAPUに通うネパール人の学生。別府に来る前は日本のこともほとんど知らなかったそうです。ビジネスで成功したいという夢を持ったアキちゃんが見た別府とは?
Writer & Photographer : 東京神父

まずは簡単な生い立ちと、なぜ別府に来ることになったのか教えてください。
アキ:14歳から兄がやっていたTVの仕事に携わっていました。一度見学に行った時に面白いなと思って、学校に行きながら働いていました。番組のプロダクションやイベントコーディネーターをしていました。

14歳?すごいね。ちなみに兄っていうのは実のお兄さん?
アキ:違います。ネパールでは私より年上の知人男性のことを親しみを込めてダイ(お兄さん)と呼びます。

なるほど。すでに文化の違いが(笑)別府に来たのはAPU(立命館アジア太平洋大学)入学がきっかけですよね?
アキ:父が旅行やコーヒーの会社を経営していて、私もインターナショナルに勉強したかったので、ネパール以外で学びたいと思ってAPUに入学しました。特に日本が好きで、というわけではなかったです。日本に来る前は着物と寿司くらいしか知りませんでしたし、日本語に漢字、平仮名、カタカナがあることも知りませんでした。

APUで色んな国の人達と一緒に勉強していると思いますが、実際に入学してみてどうですか?
アキ:私はまだ日本語が得意じゃないので、例えばマーケティングの仕事とかはまだ日本では出来ないのでとても大変です。でも、それ以外は本当に充実しています。生活も楽しいし、友達も優しいし。日本人は本当にみんな優しいです。別府のおじいちゃんとかおばあちゃんも本当に優しくて、フレンドリーなので最初来た時はビックリしました。

かなり喋れてると思いますよ?他に何か日本に来てビックリしたことはありますか?
アキ:ありがとうございます。そうですね。ネパールには海がないので、海を見たことですかね。TVで見たことはあったんですが、実際に見て水に触った時は感動しました。あとは魚を生で食べるのにもビックリしました。父がノルウェーからサーモンをお土産に買って来てくれることはありましたが、ネパールでは基本的には魚は生では食べないです。
あとネパールにはほとんど信号がないので、車が来てないのにちゃんと信号で待ってるのは凄いなと思います。ネパールでは誰もそんなことしません(笑)

海を初めて見たっていうのも凄いですね。同じネパール人のラニちゃんを撮影した時にも聞いたんですが、ネパールには温泉文化がないと聞きましたが、別府では温泉に入りに行ったりしますか?
アキ:温泉は好きです。明礬の方とかによく入りにいきます。一人でも行きますね。

下界(別府の市街地)に下りるまでは本当に家もない田舎だと思ってました(笑)
今日は茶房たかさきの温泉で撮影しましたが、ここの温泉はどうでしたか?
アキ:とっても可愛くて、気持ち良かったです。
別府は日本でも特殊な街ですが、実際に住んでみてどうですか?
アキ:最初は日本=東京と思っていたので、田舎でビックリしました。山の上だし、静かだし、ネパールと変わらない。APUは最初寮生活なのでまわりに何にもないんですね。だから、なんでこんな所に来たんだろうと思ってました(笑)
下界(別府の市街地)に下りるまでは本当に家もない田舎だと思ってました(笑)今は海の目の前に住んでいるんですが、どんどん別府が好きになってます。歩いてどこにでも行けるし、面白いお店も沢山あります。

海の目の前!それは贅沢ですね。別府の人と交流したりすることはありますか?
アキ:最近まで喫茶店で働いてました。ネパールでは家族や友人をとても大事にするので、そのバイトも姉さんに紹介してもらいました。

実のお姉さんじゃない、お姉さんですね(笑)
アキ:そうです(笑)別府の人は面白いです。喫茶店ではよくおじいちゃん達にナンパされます。絵描きのおじいちゃんが毎日来るんですが、私も趣味で絵を書くのでとても仲良くなりました。
別府の方は本当に気さくですよね。特におじいちゃんやおばあちゃんは話し出すと止まらないですよね。
アキ:日本語が分からないと説明してくれますし、困っていると助けてくれるし、本当にみんな優しいです。私は熊本と中津にホストファミリーがいるんですが、本当の家族みたいに接してくれます。

卒業後は日本に残りますか?
アキ:日本で就職活動したいなとは思ってます。別府は別府で楽しいですが、私は都会で挑戦してみたいっていう想いの方が強いかもしれません。将来的にはアメリカに行って勉強もビジネスもやりたいです。
若い時はやっぱり都会への憧れがありますよね。別府の人はすぐに「別府に残って欲しい」って言うと思いますが、色々見て経験してそれでも別府がいいって言って欲しいですよね。
アキ:そうですね。何が好きか嫌いか、合うか合わないかはやっぱり自分の目で見て、経験してから確かめたいです。

今日はありがとうございます。最後にこれから別府に来る人へメッセージをお願いします。
アキ:別府は景色も街も綺麗で、人も温泉もあったかいです。ネパールは川の魚ばかりだし、文化的に牛肉は食べないですが、その反動なのか私は寿司と焼肉が大好きです(笑)別府はお寿司も焼肉も全部美味しいです。観光だけじゃなくて「食」でも満足出来る街だと思いますので、是非遊びに来て欲しいです。


















CREDIT
タイトル:聖地たかさき
撮影日:2020年10月20日
写真撮影&インタビュー:東京神父
撮影協力:茶房たかさき、別府市、別府市温泉課、高崎富士夫さん、神道黒岩中教会、別府八湯温泉道名人会
※温泉や個人の情報は全て撮影当時のものです。
ONSEN INFO

茶房たかさきの湯
「金儲けよりも人儲け」がモットーのオーナー高崎さんは別府八湯温泉道名人会の初代会長。温泉にも朝見地区にも詳しく、茶房たかさきはいつも人で賑わっている。加水なし源泉かけ流しの温泉は遠方からも温泉好きが入りに来る秘湯だ。
住所:大分県別府市朝見1丁目2−11
営業時間:10:00〜17:00
(定休日:火・水曜※12/31~1/3)
入浴料金:なし(喫茶を利用した方のみ)
泉質:単純泉
地図:湯巡りマップ
公式HP:別府八湯温泉道サイト